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前回のすずめの戸締り考察①では、ダイジンの正体やストーリーに関係することを紹介しました。(数々のスターとブックマークありがとうございました☆)
今回はすずめの戸締りに登場する祝詞の意味や、神話との関係性を中心に解説していきます!
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数々の神話とアニメに関する裏設定
すずめの戸締りでは、様々な神話が取り上げられています。これから紹介する神話のモチーフや、共通点について解説していきます。
宮崎神宮と香取神宮における神話
一番有力視されているのが、宮崎神宮と香取神宮に関する神話です。
宮崎神宮は宮崎県にあり、香取神宮は千葉県にあります。この2つの神社にはそれぞれ要石が実在します。
すずめの戸締りとの関係性を詳しく見ていきましょう。
ダイジンとサダイジンのモチーフ
すずめが要石を引っこ抜いた場所は、宮崎県南部の町です。宮崎県に宮崎神宮も実在することから、要石はダイジンであることが推測できるでしょう。
サダイジンの要石は東京にあるようですが、実際に東京には要石のある神社はないので付近にある千葉県の香取神宮なのではないかと考えます。
ミミズのモチーフ
皆さんも神話を読んでお分かりかと思いますが、ミミズはナマズを表します。
ミミズはナマズと同じ地中に住む生き物として、共通点があります。
天岩戸神話
昔、神々の高天源、太陽神アマテラスと弟のスサノオミコト率いる神様たちが暮らしていました。
スサノオミコトはお調子者で田んぼのアゼを壊したり、馬の皮を逆剥ぎにしたりと村を荒らしていました。
一方でアマテラスは他の神様たちから親しまれ、心優しいお方でした。
しかし、あまりにも弟の行動が酷いもので、アマテラスはお怒りになり天岩戸と呼ばれる洞窟に隠れました。
アマテラスがいなくなったことから光がなくなったので、神様たちはどうやってアマテラスを呼び戻すか、八百万の神が集まり話し合います。
やがて、知恵の神様が皆で楽しそうに踊り、アマテラスをおびき出す提案をします。
その提案は見事に成功し、アマテラスを外から出すことに成功しました。
暴れていたスサノオミコトはその後反省し、村を出てヤマタノオロチを退治しにいきます。
暴れる弟もいなくなり、アマテラスも出てきたことで村に平和が訪れました。
すずめと宗像草太のモチーフ
- すずめ→アメノウズミコト
- 草太→スサノオミコト
天岩戸神社も宮崎県に実在する場所であり、洞窟の中に鳥居があるのが特徴です。
ダイジンが要石になっていたのも、アマテラスが洞窟に閉じこもっていたことと似ています。
アメノウズミコトは華麗な踊りでアマテラスを洞窟から出した芸能の神であり、要石を抜いたという点ですずめを表しているのでしょう。
スサノオミコトはアマテラスの話では横暴な態度を取っていて、草太とは程遠い性格なのかもしれません。
しかし、その話の後にはスサノオミコトはヤマタノオロチを倒し、草薙の剣を入手します。
「草薙の剣」と「草太」の頭文字が同じであることからも、アマテラスの神話を基にスサノオミコトを参考にしたのかもしれません。
個人的にはスサノオミコトと草太って色とか、服装が似てる感じがする!
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祝詞の意味
かけまくしもかしこき 日不見(ヒミズ)の神よ
遠つ御祖(おみや)の産土(うぶすな)よ
久しく拝領(はいりょう)つかまつったこの山河
かしこみかしこみ謹んでお返し申す
- かけまくしもかしこき→声に出していうのも恐縮
- 遠つ御祖の産土よ→この町に暮らしていた遠い祖先の人たち
- 久しく拝領つかまつったこの山河→長い間お借りしていた山や川
- かしこみかしこみお返し申す→恐縮ながらお返しします
すずめの戸締りとギリシャ神話に関する裏設定
すずめの戸締りでは日本の神話に限らず、ギリシャ神話にも似ている点がいくつかあるようです。
どの部分が似ているのか、詳しく見ていきましょう。
役割の入れ替え
共通点はダイジンが草太と要石としての役割を交代したことです。
アトラスも天空が嫌だったことから、ヘラクレスと交代したことから類似しているのが分かります。
椅子のモチーフ
冥府(死後の世界)の奥にあるタルタロスという場所では、記憶を失うと言われる忘却の椅子がありました。
ペイリトオスという人間と、力の神ヘラクレスが椅子に座り、4年間記憶を失ったとされています。
すずめの戸締りではタルタロスのような、冷たい世界の心の底で椅子とともに要石になっていく描写がありました。
また、要石からすずめが草太を解放させる描写もあるので、ギリシャ神話の忘却の椅子と話が似ているのが分かります。
ストーリーに関するネタバレ・考察
次はストーリーに関するネタや、気になる描写について解説していきます。
最初にすずめが持っていた椅子は未来のすずめからもらったもの
すずめはお母さんからもらった椅子を、大震災で失くしてしまった可能性があります。
高校生のすずめが持っていたのは、幼少期に未来のすずめからもらった椅子であり、お母さんからもらった椅子はすでに失くしてしまったのです。
幼少期のすずめが成長し、草太と出会ってからまた幼少期のすずめに椅子を渡すのループになっているのかもしれません。
常世はなぜ燃えている?
”常世は見るものによって姿を変える”という話がありますが、火事になっていたのもすずめが見ていた世界なのだと考察します。
なぜ後ろ戸が開くのか
後ろ戸が開く理由は、ミミズが飛び出してしまうからです。
人々は当たり前のように自然の中で建物を建築・撤去を繰り返します。建物を崩さずにそのまま放置して、廃墟化してしまうこともあります。
何も感謝せずに粗雑に土地を扱ってしまうと、ミミズが常世で発現し、後ろ戸を出てしまうことによって扉が開いてしまいます。
後ろ戸とは、常世(死後の世界)と現世(生きてる世界)の狭間
ミミズと常世の関係性
ミミズは亡くなった人々の不満であります。常世は死後の世界であり、そこで亡くなった人の不満が増幅してミミズになるのだと思います。
祝詞に「遠つ御祖の産土よ...謹んでお返し申す」とあるように、後ろ戸を閉じるには死者の不満を晴らすために感謝の敬意として祝詞を唱えるのかもしれません。
閉じ師と要石は運命として定められた役割
物語の最初から最後まで、閉じ師と要石の運命は変えられないと暗喩しているようにも思えます。
考察①の記事でも伝えましたが、ダイジンの正体は閉じ師である可能性が高いです。また、草太も閉じ師を続けて今後要石になる可能性も考えられます。
草太が閉じ師を辞めたとすれば、日本は災害に巻き込まれてしまいます。必ず閉じ師を続けなければならない運命を背負わされているのです。
そんな要石と閉じ師の運命が背負ったダイジンと草太は、悲惨な人生にも感じます。
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すずめの戸締りの意味を知るとちょっと悲しい
すずめの戸締りについて考察しました。僕は神話の知識があまり知らず、調べながらまとめていたわけですが、記事を書いていて新海誠さんの想像力に驚いています。
作者ってすごいなって改めて思いました(笑)考察①の記事でも色々語っているので、よろしければそちらの記事もご覧ください!